ドル円は引続き高いと思われる。だが、急速に円安が進むのかというと、少々難しいかもしれない。
日本当局者は介入を匂わせ、時には三者会合(財務省・日銀・金融庁)やレートチェック、それでも効かなければ実弾投入と、あの手この手で円安の進行を遅らせるだろう。
日本当局者は、金融緩和を継続し、減税もする。彼等の現在のミッションは「限られたリソースでどれだけ円安進行を遅らせられるか」という事にある。
この戦いは日銀のマイナス金利解除まで続く、良く言われる来年 4 月以降という短い期間で行えるかなど楽観的過ぎる。その頃には欧米が緩和路線を模索する可能性は結構な確率でありそうな話で、
欧米が緩和を模索するのに日本が引締めできるのか?という問題もある、まず日本だけが局地的にインフレという事はあり得ない。
日本は資源も食糧も輸入国(コストプッシュ型インフレ)なのだから日本が緩和から引締めに舵を切れる条件は「その頃でも欧米のインフレが継続している事」だ
従って、過度な日米金融政策乖離縮小は起こり難く、問題の貿易赤字もあり、過度な円安是正は期待できない。
この先も円は安くドルは高そうだ、だが、毎日毎週の取引となると円安円高論など何の役に立たないのも事実。
USDJPY 売買動向
昨日ロングが増加したが戻ってしまった可能性がある。 小幅な値動きが続くのではないか?
CFTC 円先物投機筋
2023年9月26日現在、円買いポジションは前週比で +432 枚となり、円売りポジションは前週比で +8,325 枚となった。これに伴い、投機筋ポジションの売り越しは前週比で +7,893 枚となっている。
9/26
円買い (ドル円ショート) 46,169
円売り (ドル円ロング) 155,681
NETポジション 109,512 ドル円ロング強
投機筋の円売りポジションが大きくなると神田暴威が黙っていない。
週明けは期始め、この「投機筋けしからん」という建前で、輸入業者に配慮した一時的な円高演出あるか?
EURUSD 売買動向
ロングが随分増えたが、金曜日の戻りで消化された可能性がある。
週足では結構な抵抗に当たっているので、少々揉み合いになる可能性がありそう
CFTC EUR 先物投機筋 NOP
2023年9月26日現在、ユーロ買いポジションは前週比で +4,092 枚となり、ユーロ売りポジションは前週比で +7,674 枚となった。これに伴い、投機筋ポジションの買い越しは前週比で -3,582 枚となっている。
9/26 9/19
ユーロ買い 211,516 (207,424)
ユーロ売り 113,117 (105,443)
ネット 98,399 (101,981) ユーロ買いが徐々に減ってきている。
価格は下落傾向
戦略
シカゴ投機筋はドル買い方向に舵を切ったが、万年売っていた豪ドルを手仕舞いに掛かっているかもしれない。
ドル円は強い、おそらく長期に渡り強い
だが昨年や今年の様に、下値から這い上がっていく様な大きな動きはあまり期待できないだろう
その様な動きが期待できる状況になるまでは、ウエイトを少々落とす必要があるのかもしれないと思っている。
昨日発表された米 PCE デフレーターコアは市場予想通り鈍化傾向
この数字は FRB が重要視している数字なのでもっと反応があっていいモノだが、為替市場の反応は皆無
だが、その結果を受け CME の FED ウォッチは 11 月 1 日の FOMC での金利織り込み度は、先週据え置きが72.5%だったが、今週 81.7%にまでなった
FRB の利上げでの為替への影響は限定的の様で、関心は「より高くより長く」の時間軸の方にありそうだ
今週ドル円は 100pips 以下の値幅で 5 日間推移。
週明けドル円のリテールロングは若干減少していると思われるため、少々上方向へのリスクが大きい
そうなると 150 円だが、期始めという事もあり、150 円を付ければ輸入業者への配慮で瞬間的にドル高是正のために、口先介入は勿論、三者会合、レートチェック、実弾介入の可能性もある
150 円と言うが、行ってもたったの 70pips
豪ドルは面白い。これでリテールのロングが着々と減ってくる様なら、乗り降りしながら大きな動きを取っていきたい。
だが、結局ドルはそれなりに強いと思われるため、適度な押し目を提供してくれる筈
昨日は月&期跨ぎも面白いと思い引っ張ってしまったが、あの様な動きの際はとっとと利食うのもひとつ。
そうこうしている間にそのうち冬時間に変わる。
そうなった場合は潮目が変わるだろう。
その際には適度に冬眠状態に入るか、それとも大勝負を打つのかハッキリしてくる筈だ
まずは来週の雇用関連指標と米 ISM の数字をシッカリチェックして臨みたい
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