20240328 ドル円 約34年ぶりの安値更新

ドル円の最高値(日本円の最安値)

2022年 151円95銭
2023年 151円91銭
2024年 151円97銭(※3月27日現在)

今回の大幅な円安がスタートしたのが2022年でしたが、それ以降の円の最安値(ドル円の最高値)を2024年3月27日に更新しました。1990年(当時160円)以来の、円の安値(ドル円の高値)となります。

為替介入の確率100%か?

連日、神田財務官や鈴木財務相らにより円安進行をけん制する発言が出ています。しかも強い口調です。これはおそらく152円を超えてくると、本当に為替介入を実施する可能性が非常に高いと思われます。ほぼ100%やってくるでしょう。

問題は、介入の規模がどの程度か?
2022年に巨額の為替介入があり、当時はその後の3カ月で151円→最大127円まで押し戻されました。(当時は2022年9月~10月にかけて合計9兆円相当のドル売り・円買い介入を実施)。

為替介入で、大幅に円高に戻すと、新NISAを始めた一般庶民が多額の損失を被ります。年金支給の原資となる年金基金も多額の損失が発生します。株価も急落、輸出企業は経営悪化で今後は賃上げできなくなりますし、誰の得にもなりません。

今後は「大きく円高に戻す」よりは、「軽く円高に戻す」か「円安を止める」程度の為替介入をしてくるだろうと思われます。

日銀利上げしたのに、なぜ円安が進む?ドル円の長期予想

日銀はマイナス金利を解除したとしても、緩和策の根幹=超低金利政策は堅持する可能性が非常に高い。日本経済の現状を鑑みますと、海外のように積極的に利上げできる状況にはほど遠く、超低金利を続けざるを得ません。

日銀はおそらく今後も緩和的な金融政策を堅持することを強調してくるでしょう。それにより極端に円高が進むことは想定しにくい。仮に、市場が動揺して円高に振れたとしても一時的。長期的に円安になりやすい(大きくは円高になりにくい)環境は変わりません。

為替は「金利」だけで動くものではありません。日米金利差は今年は縮小する可能性が高い(日銀が先日マイナス金利解除しましたし、アメリカは利下げする可能性が高い)のですが、それだけの理由で円高になるとは限りません。

他の大きな要因として、日本の貿易赤字が続いていることや、新NISAで海外投資が加速していることは、巨額の円売り圧力となっています。

もし為替介入がなければ、現在の日本とアメリカの環境を分析しますと、ドル円が160円から170円台へと円安が進む可能性があるとの見通しは、変わりません。

為替介入がなければそれくらい円安が進むほどの環境下にありますので、あとは円安速度を抑えるための介入をするのか、大幅に円高に戻すほどの介入を間違ってやってしまうのか、為替介入次第でしょう。

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