20231212. ユーロドル 方向感に欠ける 今週の見通しと注目のチャートポイント 切り抜き

ユーロドル1.07台後半、雇用統計前で方向感に欠ける動き

【ユーロドル (EURUSD)】今週の見通しと注目のチャートポイント

⚫8日の東京市場でユーロドルは1.07台後半を軟調推移。朝方1.0795レベルで取引が始まったユーロドルは、午前中1.0801に一瞬乗せたものの、もみ合いながら上値を切り下げる展開となりました。夕刻欧州勢参入後は1.0773まで下げたものの持ち直し、東京時間18:30現在は1.0780付近で取引されています。

⚫昨晩海外市場でもユーロドルは1.07台後半中心の方向感に欠ける動きとなりました。米国時間に入り米長期金利が急落すると1.0818まで値を上げる場面もありましたが、買いが続かず、1.0793まで下げて取引を終えています。

⚫テクニカルにはユーロドルは、引き続き90日線と200日線に挟まれての横ばい推移。ローソク足の陰線の連続が6営業日で終了、昨日は陽線引けしたこともあり、ユーロの下げに一服感が出ています。市場は今晩の米11月雇用統計待ち。非農業部門雇用者数の市場予想はやや強めの18.3万人です。

⚫序盤の欧州主要株価指数は、おおむね堅調推移。今晩この後は、22:30に米11月雇用統計、24:00には米12月ミシガン大消費者信頼感速報値の発表が予定されています。

⚫欧州中央銀行(ECB)は14日、今年最後の理事会を開催する。今回の焦点は、最新のインフレ見通しとラガルド総裁の言動にあろう。ひとまず下落が一服しているユーロドル(EURUSD)だが、上値は重く下値トライを意識する状況が続いている。今週、注目しておきたい上下のチャートポイントを分析する

サマリー

・今週のユーロドルの変動要因は、欧州中央銀行(ECB)理事会となろう
・ECBイベントがユーロ買いの要因となっても、その幅は限定的となることが予想される
・ユーロドルの反発局面では、200日線と10日線の攻防に注目したい
・ユーロドルの下落局面では、1.07台の維持が焦点となろう

⚫鈍化傾向のインフレ率

欧州中央銀行(ECB)は14日、今年最後の理事会を開く。

ユーロ圏のインフレは鈍化傾向にある。ラガルドECBは情勢次第での利上げの可能性を残してはいるが、景気の先行きリスクを重視し、政策金利を現在の高水準で長い間維持することで2%の物価目標の達成につながるかどうか?を見極める姿勢へ転換している。

⚫ユーロドルの反発要因と上値の焦点

短期金融市場では、欧州中央銀行(ECB)による利上げサイクルの終了が完全に織り込まれている。そして3月利下げの確率が50%前後で推移している。

しかし、短期金融市場で織り込まれている現在の早期利下げ観測は行き過ぎの感がある。

直近のキーマン達の言動も考えるならば、ラガルドECBが利上げサイクルを終了させた後すぐに、利下げ政策へ転換する可能性は現時点では低い。

よって、ラガルド総裁が記者会見で早期の利下げを強く否定する場合は、はやる市場の利下げ期待が後退することで、短期的なユーロ買いの要因となる可能性がある。

ユーロドル(EUR/USD)のストキャスティクス(日足)は現在、売られ過ぎの水準から反発のムードにある(下のチャート、赤矢印を参照)。このタイミングでラガルド総裁の言動がユーロ買いの要因となれば、ユーロドルの反発相場を想定しておきたい。

ユーロドルが反発する局面で最初に注目したいのが、200日線の攻防である。この移動平均線は今日現在、1.0822レベルで推移している。1.08レベルが相場の反発を止めている経緯も考えるならば、1.0800-20レベルをレジスタンスゾーンと想定しておきたい。

このレジスタンスゾーンをユーロドルが完全に突破する場合、次の焦点は10日線の攻防となろう。この移動平均線は今日現在、1.0844レベルまで低下している。

⚫レジスタンスゾーンを突破する場合の焦点は?

なお、直近のユーロドル(EUR/USD)のトレンドを4時間チャートで確認すると、200日線が推移している1.0820レベルがサポートからレジスタンスの水準へ転換する可能性が示唆されている。

すぐ上の1.0835レベルは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる。そして、このテクニカルポイントのすぐ上には10日線が低下しつつある。

先週5日以降、これらテクニカルポイントがレジスタンスゾーンとして相場の反発を止めた経緯があることも考えるならば、200日線と10日線の攻防ではユーロドルの反落を警戒しておきたい(下のチャート、紫ゾーンを参照)。

一方、ユーロドルがこのレジスタンスゾーンの突破に成功する場合は、新たな上値の水準を探ることが焦点となろう。

このケースでは、現在レジスタンスの水準として意識されている1.10レベルのトライが焦点となろう(上の日足チャートを参照)。

ユーロドルが1.10レベルをトライするシグナルとして、4時間足にプロットした半値戻しの水準およびフィボナッチ・リトレースメントの各水準(61.8%と76.4%)での攻防に注目したい。

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