●S&P500種株価指数は現在、最高値の更新を視野に強気地合いを維持している。ISM非製造業の景気指数、そして雇用統計がアメリカ経済の底堅さを示す場合、S&P500は新たな高値圏の攻防へシフトする展開が予想される。しかし、株高のトレンドに水を差す懸念材料もある。
●記事のポイント
・S&P500は最高値の更新を視野に強気地合いを維持している
・今週も経済指標にらみの展開に、注目はISM非製造業景気指数と雇用統計
・9月のS&P500は、年間のパフォーマンスが最も悪い
・S&P500、今週の見通しと注目チャート水準について
●最高値の更新が視野に入るS&P500
幅広い銘柄に広がる買い
機関投資家が運用のベンチマークにするS&P500種株価指数(以下ではS&P500)は現在、7月16日につけた最高値5,667ポイント(終値ベース)を視野に強気の地合いを維持している。
株価以外のデータもS&P500の地合いの強さを示唆している。構成銘柄の上昇した株数と下落した株数を差し引くと、4週連続で上昇した銘柄が上回っている。
これまで米株高のけん引役だった半導体大手エヌビディア(NVDA)は、先月28日の第2四半期決算で売上高の見通しが投資家の期待を下回ったことで、株価が再び軟調地合いにある。
しかしS&P500はエヌビディア下落の影響をこなし、2週連続で上昇銘柄の数が300以上を上回った。これは今年に入り初めてである。そして、マグニフィセントセブンに代表される一部の主力株だけでなく、幅広い銘柄に買いが広がっていることを示している
●投資家心理の落ち着き
一方、投資家の心理が落ち着いた状態にあることも、S&P500(S&P500)の強気地合いに影響している。
8月5日に65ポイントまで急上昇したVIX指数(VIX)は現在、15ポイントまで急低下している。そしてプットコールレシオは1.25と、今年の平均1.37を下回り投資家の心理が落ち着いた状態を維持していることを示唆している。
上で述べた株高のすそ野の広がりも考えるならば、S&P500は最高値の更新と新たな高値圏の攻防を意識する状況にある。
VIX指数とS&P500のプットコールレシオ:24年6月以降
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