20231117 朝 切り抜き ドル円、冴えない米経済指標を受けて急反落。米金利の低下がドルの重石に

⚫昨日の外為市場は円買い優勢の展開に。しかしドル円は21日線を意識する状況が続き底堅さを維持。ユーロドルは1.09レベル、ポンドドルは75日線をそれぞれ意識する状況にあります。今日は中銀関係者の言動が変動要因となる可能性あり

⚫クックFRB理事は、必要以上に経済活動と雇用が急激に低下することを警戒。中小企業、住宅部門そして低中所得世帯の情勢を考慮しているとのこと。インフレリスクは完全に後退はしていませんが、今後の焦点はやはり景気の動向にあります。米金利の動きを注視。

ドル円チャート分析、重要な変化とは

ドル円の重要なサポート帯について、
これまで149円台前半と位置付けてきましたが、
ちょっと目線を上げたいです。

今週の為替変動を受けて、150円台前半
新しく相場の節目が形成されています。

今後もし、その節目を下方にブレイクした場合には、ようやく、これまでの円安トレンドが(少なくともここ数週間の短期的な円安トレンドが)終わって一旦、調整局面(円高局面)に入ることが想定されます。

まだ全くそうなっていないので、これを言うのは早いかもしれませんが、
もしそうなった場合の円高メドとしましては、とりあえず148円台。
もっと円高が拡大する可能性もありますが、
まずはトレンド転換のポイントとなる150円台前半の攻防に注目したいです。

さえない米経済指標を受けて急反落。米金利の低下がドルの重石に

ドル円、米指標の不冴え相次ぎ米長期金利低下、米国時間に150.28まで急落、150円台後半での推移
ユーロドル、米金利低下に1.0896まで上昇するも欧州債利回り低下に1.08台半ばに失速


ドル円、下方に複数のサポート並び、買いシグナルも継続、テクニカルの下値余地は限定的か
〇ファンダメンタルズも、日米金利差、株高がドル円上昇をサポート
〇引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.00ー151.50

海外時間のレビュー

16日(木)のドル円相場は急反落。欧州時間朝方にかけて、高値151.48まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、          (1)米新規失業保険申請件数(結果23.1万件、予想22.0万件)の冴えない結果や、    (2)米10月設備稼働率(結果78.9%、予想79.4%)の市場予想を下回る結果、    (3)米10月鉱工業生産(結果▲0.6%、予想▲0.4%)の市場予想を下回る結果、    (4)米11月NAHB住宅市場指数(結果34、予想40)の市場予想を下回る結果、      (5)米長期金利の急低下(米10年債利回りは4.53%から4.43%へ急低下)が重石となり、米国勢参入後に、安値150.28まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、日本時間11/17午前5時30分現在では、150.65前後で推移しております。              尚、昨日はクリーブランド連銀メスター総裁による「さらなる利上げが必要かどうかは経済状況次第」との発言や、クックFRB理事による「ソフトランディングは可能だと信じている」「引き締めが不十分なリスクと引き締め過ぎのリスクの両にらみが必要」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました

16日(木)のユーロドル相場は上昇後に反落。アジア時間朝方にかけて、安値1.0830まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、      (1)米新規失業保険申請件数の冴えない結果や、                  (2)米10月設備稼働率の市場予想を下回る結果、                  (3)米10月鉱工業生産の市場予想を下回る結果、                  (4)米11月NAHB住宅市場指数の市場予想を下回る結果、               (5)米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0896(8/31以来の高値圏)まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、             (6)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力や、                  (7)欧米金利差に着目したユーロ売り・ドル買いが重石となり、              日本時間11/17午前5時30分現在では、1.0848前後まで値を崩す動きとなっております。    尚、昨日はポルトガル中銀センテノ総裁より「政策金利はいずれ下がる」とのハト派的な発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は冴えない米経済指標の結果を受けて一時150.28まで反落する動きとなりました。   但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいること(昨日も一目均衡表転換線、基準線、21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンドがサポートとして確り機能)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(下値余地は限定的)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差に着目したドル買い・円売り(円キャリートレードの継続期待→円売り安心感)や、株高に伴うリスク選好の円売り圧力(クロス円上昇→ドル円連れ高)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続(11/13に記録した年初来高値151.91や、昨年高値151.95を試すシナリオ)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米10月住宅着工件数や、米10月建設許可件数、ボストン連銀コリンズ総裁発言、シカゴ連銀グールズビー総裁発言、サンフランシスコ連銀デーリー総裁発言などに注目が集まります。

⚫米10年債利回りのチャート。経済指標の発表後に利回りが低下で反応する局面あり。しかしその幅は限定的。ドルインデックスは米金利の動きに連動するも、104.00 レベルでサポートされ、米ドル高圧力の根強さを示唆する動きが続いています。まだまだ米債市場の動きに振り回される状況を想定しておいた方が良さそうです。

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