20231115 朝 切り抜き

ドル円、年初来高値圏から急反落。米CPI鈍化に伴う米長期金利の急低下がドル円急落の背景(11/15朝)

ドル円、年初来高値圏から急反落。米CPI鈍化に伴う米長期金利の急低下がドル円急落の背景

14日(火)のドル円相場は急反落。

年初来高値圏から急反落。米CPI鈍化に伴う米長期金利の急低下がドル円急落の背景

〇ドル円、米CPIの予想を下回る結果と利上げ終了観測に150.49まで急落
〇ユーロドル、米長期金利低下に1.0877まで急伸
〇ドル円、ダウンサイドに複数のサポートポイント並びテクニカル的の地合いは崩れておらず、
〇ファンダメンタルズもドル円相場の持ち直しを連想させる材料残る
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.00ー151.25

海外時間のレビュー

14日(火)のドル円相場は急反落。    (1)日米金利差に着目した円キャリートレードの継続や、               (2)日経平均株価の底堅い動き(リスク選好の円売り圧力)、              (3)ジェファーソンFRB副議長による「高インフレがいつまで続くか不確実な場合はインフレ期待を抑制するため強力な金融政策が必要になる可能性がある」とのタカ派的な発言、     (4)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値151.80まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、                  (5)前日記録した年初来高値151.91を背にした戻り売り圧力や、             (6)米10月消費者物価指数(結果+3.2%、予想+3.3%)および、米10月消費者物価コア指数(結果+4.0%、予想+4.1%)の市場予想を下回る結果、

(7)上記6を背景とした米長期金利の急低下(米10年債利回りが9/22以来の低水準となる4.43%へ急低下)、            (8)米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャーであるニック・ティミラオス記者による「米10月雇用統計と米10月CPIの結果は米FRBの最後の利上げが7月であることを強く示唆している」とのハト派的な見解投稿、  (9)ドル円ロング勢の大規模ロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、安値150.49まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、午前3時55分現在では、150.55前後で推移しております。

14日(火)のユーロドル相場は急上昇。アジア時間午後にかけて、安値1.0692まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、        (1)ドイツ11月ZEW景況感指数(結果+9.8、予想+5.0)の市場予想を上回る結果や、    (2)欧州株の堅調推移、        (3)米10月消費者物価指数(結果+3.2%、予想+3.3%)および、米10月消費者物価コア指数(結果+4.0%、予想+4.1%)の市場予想を下回る結果、                (4)上記3を背景とした米長期金利の急低下、(5)テクニカル的な地合いの好転(日足ローソク足が一目均衡表雲上限や200日移動平均線を上方ブレイク)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0877まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、午前3時55分現在では、1.0873前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は前日11/13に記録した年初来高値151.91(2022年10月21日以来、約1年1カ月ぶり高値圏)をトップに反落に転じると、昨日は一時150.49まで急落しました。         

米CPI鈍化を背景に米長期金利が急低下に転じたことや、それに伴ってドル円ロング勢の大規模ロスカットが誘発されたこと等が背景と考えられます。

但し、日足チャートを確認すると、依然としてダウンサイドに複数のサポートポイント(押し目買いポイント)が並んでいる他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」も揃っているため、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(足元の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整→上昇から下落へのトレンド転換では無い)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待(昨日の米CPI鈍化を受けて、米FRBによる利上げ観測後退→米利下げ開始時期の前倒し観測再燃→米長期金利低下→米ドル売りの流れが強まりましたが、日米金利差は依然として歴然)や、株式市場の堅調推移を背景としたリスク選好の円売り期待(米金利低下→株高・リスクアセット上昇→市場心理改善→リスク選好の円売り再開)など、ドル円相場の持ち直しを連想させる材料が残っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日はアジア時間に発表される中国の主要経済指標(中国10月小売売上高、中国10月鉱工業生産、中国10月固定資産投資)や、米国時間朝方に発表される米主要経済指標(米11月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米10月小売売上高、米10月生産者物価指数)に注目が集まります。

10月の消費者物価指数は          インフレ鈍化の傾向を示す内容に。インフレの低下を阻む要因の一つが住居費。6.7%と未だに高い水準にあるがトレンドは鈍化の傾向。一方、サービス価格も同様に鈍化の傾向にあるが、家賃を除くサービス価格は2.8%から3.0%へ若干上昇。

要人発言

米下院、ジョンソン議長のつなぎ予算案を可決。民主党も支持に回る-ブルームバーグ

14日の米国株。             10月CPIでインフレの鈍化傾向が確認され、米長期金利が急低下。主要な株価指数は大幅高で引けた。S&P500指数のセクター別パフォーマンスは総リスク選好の状況に。個別ではテスラが6%超の上昇。50日線を上方ブレイクすれば、さらなる反発が期待できる状況に。

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