ドル円、151円の大台を難なく回復。米金利が低下してもドル円下がらず
今年も残り1カ月半!/ドル円チャート予測/為替が荒れる注目材料とは?
為替は円安水準で下がったり上がったり。
先週の日銀会合とFOMCを終えて、また地味な展開になっています。
裁量トレードではなかなか利益を出しにくい状況ですが、
リピート投資なら、今月もリピート収益とスワップ収益で着実に稼いでくれているので安心です
ドル円チャート予測
日本が金融緩和で「円安政策」をとりながら、
円安を牽制するために「為替介入」をちらつかせていることで、この円安圏で下がったり上がったりの展開となっています。
長期的には日米経済を考慮しますと円安見通し継続。
短期的にもチャート分析の観点で長らく円安トレンドが継続中。
(8月末から円安トレンド継続。一度も反転なく、短期トレンドが2カ月以上も続くことは珍しいです)。
円安トレンドが続いている以上、また高値を更新する可能性はあるとの見方になります。
(今年の高値151円70銭。去年の高値151円90銭)
このようなだらだらした状況で、私たち投資家としてしっかり押さえておくべきは、円高方向の転換ポイント。
現在149円台前半の水準にそのポイントが位置しています。
今後のドル円、超注目材料とは?
この先、ドル円相場が荒れるとすれば、
来週14日火曜日夜の「アメリカ消費者物価指数」などが注目されます。
アメリカの消費者物価指数(前年同月比)は前回+3.7%。去年夏は+8%から最高+9%も物価が上昇して大騒ぎになりましたが、今ではもう、日本とあまり変わらない水準まで低下しています。
この低下傾向が続いていることが確認できれば
アメリカはもう追加利上げは必要ないとの判断に傾くでしょうし、低下傾向が強ければ、来年の利下げの時期が早まる可能性も出てくるでしょう。
〇ドル円、米国時間にかけ高値151.07まで上昇
〇円キャリー再開期待、実需のドル買い、植田日銀総裁のハト派発言等が背景
〇ユーロドル、米長期金利低下、欧州株堅調推移に1.07台を回復
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上側で推移、買いシグナルも継続、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策格差と円キャリートレードの継続期待がドル円をサポート
〇引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.60ー151.60
海外時間のレビュー
8日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値150.34まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの再開期待や、(2)本邦輸入企業の実需のドル買い、(3)植田日銀総裁による「賃金と物価の好循環、まだ2%目標達成にはもう一つ距離がある、それが見通せるまで金融緩和を継続する」とのハト派的な発言、(4)米主要株価指数の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(5)前日高値突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値151.07(11/1以来、約1週間ぶり高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/9午前5時50分現在)では、151.00前後で推移しております。
8日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)欧米金利差に着目したユーロ売り・ドル買いや、(2)コスタ首相の辞意表明に端を発したポルトガルを巡る政局不透明感、(3)ユーロ圏9月小売売上高(結果▲0.3%、予想▲0.2%)の市場予想を下回る結果、(4)ベルギー中銀ウンシュ総裁による「インフレ率は急速に低下している」とのハト派的な発言、(5)ラトビア中銀カザークス総裁による「必要以上に金利を引き上げることはない」とのハト派的な発言、(6)ドイツ債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0659まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(7)ドイツ連銀ナーゲル総裁による「「インフレがこれほど高い状況では利下げについての話は何の役にも立たない」とのタカ派的な発言や、(8)米金利低下に伴うドル売り圧力、(9)欧州株の堅調推移が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0717まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/9午前5時50分現在)では、1.0709前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は11/3に記録した安値149.20をボトムに反発に転じると、昨日は一時151.07(約1週間ぶり高値圏)まで急伸しました。心理的節目151.00の大台回復を実現できたことや、日足ローソク足が主要テクニカルポイントの遥か上側で推移していること(レジスタンスポイントが見当たらないこと)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が揃っていること、下位足(1時間足、4時間足)から上位足(週足)に至る全てのテナーで買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁は昨日も「金融緩和を継続する」と発言)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(円キャリートレードの長期化期待)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。米長期金利の低下と堅調な株式市場の組み合わせも、リスク選好の円売り(クロス円上昇→ドル円連れ高)を通じて、ドル円を下支えすると見られることから、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(10/31に記録した年初来高値151.74を上方ブレイクし、年末にかけて155.00近辺まで上値を伸ばすシナリオを想定。米金利が低下してもドル円が下がるどころか上昇に転じている事実が極めて重要)。
尚、本日は米新規失業保険申請件数や米30年債入札に加えて、米当局者発言(アトランタ連銀ボスティック総裁、リッチモンド連銀バーキン総裁、セントルイス連銀パエゼ暫定総裁、パウエルFRB議長)に注目が集まります。
本日の予想レンジ:150.60ー151.60
⚪米金利はポジション調整が進行中。但し、2年金利が5%近辺に張り付いている中で、10年金利がどんどん低下するのは難しい。一時的にはまだ低下余地はあるが、注目は2年金利!来週のCPIはそういう意味でも注目。ただ金利が下がらず、膠着するだけでも、米株には一定のポジティブ要因
⚪米ドルの買い戻しと円安が重なり、ドル円は高値151.06レベルまで上昇。豪ドル円以外の主要なクロス円も総じて円安優勢で推移。今日は米新規失業保険申請件数が米金利とドル円の変動要因となる可能性あり。
⚪ユーロドル(EURUSD)。予想どおり米金利の低下がサポート要因となり、ユーロドルは75日線をトライする状況が続いています。1.0650レベルもサポートへ転換するムード。しかし75日線を突破できない状況が続いており
かつ、1.0750レベルがレジスタンスの水準へ転換するムードにあります。これから上昇トレンドへ回帰する、と判断するにはまだまだ材料が足りない状況に。今日は米新規失業保険申請件数の内容と米金利の反応に注目。

⚪長期ゾーン利回りの変動要因として注目したいのが、経済指標。今日は新規失業保険申請件数が材料視される可能性あり。4週移動平均のトレンドを確認すると増加傾向へ転じつつある。雇用統計に続き労働市場の軟化を示唆する内容となれば利回り低下の要因となる可能性あり。
⚪米10年債利回りの日足チャート。先週のFOMC(パウエル会見)と10月雇用統計の内容を受けた利回りの低下が続く状況に。目先の焦点は、現在の利回りの上昇を象徴するトレンドラインの下方ブレイク。このラインをトライするシグナルとして4.5%割れに注目。
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