ドル円、年初来高値更新後に急反落。政府・日銀による介入観測がドル円急落の背景
〇ドル円、米雇用動態調査の強い結果に米国時間に150.16まで急伸後、数分で147.33まで下落
〇政府・日銀による介入観測広まり戻りは149円前後まで
〇ユーロドル、米長期金利急上昇に上値重く一時1.0448まで急落、年初来安値を更新
〇財務省幹部は介入実施の有無はコメントせず、プライスアクション的には介入の可能性大
〇但し、介入による押し下げ効果は持続しづらく、一巡後に再び反発に転じるシナリオを想定
〇本日の予想レンジ:148.00ー150.00
ドル円(USDJPY)の動向
節目の150.00を突破した後、安値147.29レベルまで円が下落。しかし米2年債利回りは再び5.1%へ反発、長期金利は4.8%へ上昇。
ローソク足の長い下ヒゲと実体ベースで10日線を況も考えるならば、上値トライの状況が続く可能性あり
4時間足チャート。先月21日の安値147.30レベルで再びサポートされる展開。下落局面での重要サポートポイントの候補として意識したい。一方、ドル円が上昇基調を維持する場合は
昨日の下落を受け、新たな上値の水準として浮上してきた150.16レベルの突破が目先の焦点に。この水準を突破する場合は、76.4%の水準150.35レベル、150.50レベルと新たな上値の水準を探る展開となる可能性あり。
昨日の市場で注目すべきは円相場の急伸ではなく、米長期金利の上昇です。10年債利回りは4.8%の水準へ到達。30年債利回りも5%を視野に上昇基調を維持。外為市場では米ドル高基調が続き、米国株と金価格が下落。震源地は米金利の動向。
対米ドルで円が急伸。安値147.28レベルまで下落。クロス円も円高優勢の展開に。一方、外為市場全体では米ドル高基調が続き、ユーロドルは1.0448、ポンドドルは1.2052まで下落。引き続き米経済指標と金利を注視する状況が続く。
ドル円は実弾介入の見込み薄、レートチェックで円売りが大量に決済された公算(ロイター/ロンドン)
ドル円急落「150円台のオプションが要因の公算」、介入なら円買い規模小さすぎるとの見解
本日の見通し
ドル円は年初来高値更新後に急落する動きとなりました。財務省幹部より「介入を実施したかどうかについてはコメントせず」との発言があったものの、プライスアクション的に実弾介入に踏み切った可能性は極めて高く、昨年高値151.95を抜けるまでは実弾介入に踏み切ることはないだろうといった市場の油断の隙をつかれた形となっております。但し、昨年の介入時と比較して、今回はドル円の押し下げ効果が著しく弱かった点に留意が必要でしょう。背景には、昨年のドル円上昇が「円独歩安」が起点だったことに対して、今年のドル円上昇は「ドル独歩高」を起点としている点などが挙げられます。つまり、日米金融政策格差といったファンダメンタルズにきちんと沿った形でのドル高・円安であるため(投機的なドル高・円安では無く、ポジティブキャリーを裏付けとしたドル高・円安であるため)、介入による押し下げ効果は持続しづらく、一巡後に再び反発に転じるシナリオが想定されます(ドル円ショートはネガティブキャリーとなるため、長期間保有しづらい)。
事実、通貨オプション市場では、昨日の介入観測を受けても尚、ドル円のダウンサイドリスクを織り込む動きは殆ど見られておりません。本日予定されている米9月ADP雇用統計や、米9月ISM非製造業総合指数が市場予想を上回る結果となれば、米FRBによる金融引き締め長期化観測→米長期金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円が再び150円に向けて値を戻すシナリオ(全値戻し)も想定されるため、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(介入による押し下げ効果が弱いと見なされた場合、失望感から今まで以上に円安が進んでしまうリスクあり)。
本日の予想レンジ:148.00ー150.00
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