止まらない米ドル高 / ドル円の見通し
サマリー
・米長期金利は上昇基調を維持、外為市場は米ドル一強の状況
・ドル円は149円台へ上昇、次の焦点は節目の150.00のトライ
・ドル円の上昇局面では、国内サイドの動きを常に警戒する必要があろう
・ドル円が下落する場合のサポート水準
ドル円、日米金融政策格差を背景に年初来高値を一段と更新。心理的節目150円射程圏内
○ドル円、米国時間朝方にかけて年初来高値149.71まで急伸、昨年10/24以来の高値圏
○米経済指標の好結果や、米金利上昇に伴うドル買い圧力などが支援材料
○ユーロドル、欧米金融政策格差が意識され、米国時間午後にかけて約8カ月半ぶり安値1.0488まで急落
○ドル円、介入警戒感高まるが「昨年高値151.95突破までは実弾介入に踏み切らず」が市場コンセンサス
○本日予定の米経済指標が市場予想を上回る場合などは、心理的節目150.00を一気に突破する可能性も
○ドル買い・円売りトレンド継続をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:149.00ー150.25
外為市場
現在の外為市場では、米ドル高一強のムードが漂っている。米ドル高にサポートされドル円は149円台へと上昇。今後の上昇局面では、政府・日銀の動向を常に注視する必要があろう。米ドル相場のトレンドを示すドルインデックスは上昇基調のトレンドチャネル上限をトライし、107.00ポイントを視野に入れる状況に。ドル円は149.70レベルまで上昇。一方、ユーロドルは1.05割れの展開に(安値1.0488レベル)。
米ドル相場のトレンドを示すドルインデックスは上昇基調のトレンドチャネル上限をトライし、107.00ポイントを視野に入れる状況に。ドル円は149.70レベルまで上昇。一方、ユーロドルは1.05割れの展開に(安値1.0488レベル)。
「米金利の上昇→米ドル高」のトレンドが続き、ドル円は149.70レベルまで上昇。一方、ユーロドルは1.0488レベルまで下落。今年1月の安値が視野に。ポンドドルは1.21の攻防が焦点に。今日の注目材料は米独の経済指標。
株式市場
S&P500の日足チャート。予想通りリトレースメント61.8%の水準をトライする展開に。ローソク足の実体ベースではかろうじて維持。米長期金利の上昇基調が続く。また政府機関の閉鎖リスク、中国の景気不安と株高の調整要因が重なっており、下値トライを意識する状況が続く。
米ドル高の進行が続き、一強ムードの状況に
26日の米債市場では、10年債利回り(長期金利)が4.562%と、2007年10月以来の水準まで上昇した。
つまり現在のグローバル市場は、リスク回避の局面で米ドル一強の状況にある。
この動きに追随し、外為市場では米ドル高のトレンドがさらに進行している。米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)の動向を確認すると、昨日は3月8日の高値105.88レベルでサポートされ、高値106.26レベルまで上昇する局面が見られた。
ドルインデックスの106.26レベルの上方ブレイク、そして反落の局面で105.88レベルがサポートの水準として意識され続ける場合、米ドル高がさらに進行する展開を想定しておきたい。
26日は、日米を含め世界の主要な株価指数が下落した。
リスク回避の相場では、円やスイスフランの買い需要が高まりやすい。しかし、昨日の米ドル相場の通貨別パフォーマンスを確認すると、これら通貨に対して米ドル高優勢の展開となった。
安全資産としての妙味がある米国債は、下落トレンド(金利が上昇トレンド)にある。さらに国際商品市況では、金価格が下落基調にある。
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
150.00レベルのトライと国内サイドの動き
米金利の上昇基調とリスク回避相場(世界的な株安)による米ドル買いにサポートされ、ドル円(USD/JPY)は昨日、149円台へと上昇した。
通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認すると、1ヶ月のそれはドル・コールへ向かう動きが後退している。一方、3ヶ月のそれはジワリとドル・プットへ傾くムードにある。
これらが政府・日銀による円買い介入を意識している動きかどうかは不明だが、節目の150.00トライを視野に入れる展開となっていることを考えるならば、ドル円のさらなる上昇局面では、国内サイドの動向をより注視する必要があろう。
下落局面でのチャートポイント:円買い介入のケース
今日もドル円(USD/JPY)が上値をトライする場合は、昨日の高値149.18レベルの上方ブレイクが焦点となろう。これを達成する場合は149.50レベル、そして昨年10月24日の高値149.71レベルのトライが焦点となろう。
しかし、ドル円が一気に149円後半の水準へ上昇する場合は、ボラティリティの平準化を理由に円買い介入が実施される可能性を意識しておきたい。
実際に円買い介入が実施される場合は、147円ミドルの水準で推移している21日線を一気に下方ブレイクし、9月11日の下落をサポートした146.00レベルまたは145.27レベルで推移している50日線まで瞬間的に円高が進行する可能性がある。
後者の展開となる場合は、145.00レベルの “サポート転換” の確認が焦点となろう。
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