20230926

2023年9月25日13時29分更新

ドル円、日米金融政策の方向性の違いを背景に年初来高値を更新。約11カ月ぶり高値圏へ

〇ドル円、植田日銀総裁、内田日銀副総裁のハト派発言、米金利上昇等に148.96まで上昇
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言相次ぎ、約6ヵ月半ぶり安値となる1.0575まで急落
〇ドル円は初来高値を更新、昨年10/25以来、約11カ月ぶり高値圏へ上昇
〇主要テクニカルポイントの上側で推移、強い買いシグナルも成立、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズもFRBによる金融引き締め長期化観測と日米金融政策格差がサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:148.25ー149.75

本日の見通し

ドル円は年初来高値を更新し、昨年10/25以来、約11カ月ぶり高値圏(148.96)へと上昇しました。日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上下限)の上側で推移していることや、上位足から下位足に至る全てのローソク足で強い買いシグナル(一目均衡表三役好転、強気のパーフェクトオーダー、ダウ理論の上昇トレンド)が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(値頃感に基づく逆張りショート勢をじりじり苦しめる相場展開)。

また、ファンダメンタルズ的

(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(先週開催された米FOMCおよびパウエルFRB議長記者会見は総じてタカ派→米10年債利回りが2007年10月以来の高水準となる4.52%へ急上昇→米ドル買い再開)や、

(2)日銀による金融緩和の継続観測(先週開催された日銀金融政策決定会合および植田日銀総裁記者会見は総じてハト派→円金利伸び悩み→円売り再開)、

(3)上記1、2を背景とした日米金融政策格差とそれに伴う円キャリートレードの再開期待(日米金利差拡大に伴うドル買い・円売り)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。

政府・日銀による介入警戒感が囁かれているものの、昨年高値151.95を抜けてくるまでは実弾介入に踏み切ることが難しいと推察されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(今週中に心理的節目150.00を突破するシナリオを想定)。尚、本日は米7月FHFA住宅価格指数や、米7月S&Pケースシラー住宅価格指数、米8月新築住宅販売件数、米9月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米9月リッチモンド連銀製造業指数、ボウマンFRB理事発言等が予定されております。

本日の予想レンジ:148.25ー149.75

ドルの週間見通し|テクニカル分析: 強気

ドルは、今週に向けて、ユーロに対して強気の姿勢を維持している。下図の日足チャートを見ると、ユーロ/ドルは7月以降、下落トレンドにあることが分かる。過去数週間、価格は200日移動平均線を下方ブレイクし、さらに下落するリスクが高まった。

その後、価格は1.0766の変曲点を通過し、5月の安値1.0635まで下落した。7月からの下降トレンドラインが下値へと導いている。テクニカル見通しを強気に戻すには、この安値ポイントの上方ブレイクを確認する必要がある。逆に下方にブレイクすると、3月の安値1.0516が意識される。一方、上昇に転じた場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.088を超えられるかに注目したい。

ドルは英ポンドに対しても強気の姿勢を崩していない。英ポンド/ドルは引き続き、弱気なチャートパターンであるヘッドアンドショルダー(三尊天井)が示唆する下降の軌道をたどっている。ユーロ同様、英ポンドも200日移動平均線の下方ブレイクを確立させており、ここから一段安となる可能性がある。

主要なサポートは5月の安値1.2308で、これを下抜けた場合は、反発の際に新たなレジスタンスとして機能するかもしれない。1.209の下にはフィボナッチリ・リトレースメント78.6%の水準があり、これが3月の安値1.804への到達を阻んでいる。価格が上昇に転じた場合は、1.2592付近に位置するヘッドアンドショルダーのネックラインに注目されたい。

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